修繕費のつもりが資産計上?その基準は?


不動産投資を行っていると建物の維持のために故障した設備を交換したり、共用部の電灯を付け替えたり、部屋の改装を行ったりする機会があると思います。
そのような修繕や改装に要した金額ですが修繕費とならずに資産に計上されるものがあります。これはどのような基準によるものなのでしょうか。

 

■資本的支出となると一括で経費にできない

建物の使用や経年によって現れた不具合を修繕したり、建物価値を高めようとリフォームを行ったりした場合に、支払った費用は修繕費として単年度に経費計上するものだと思われる方は多いのではないでしょうか。
大金を投じて大規模な修繕を行った後に単年度一括で費用計上することで、不動産所得が減るため納税する所得税が安くなると考えていたところに、税務署から費用計上できませんとの指摘を受けて驚くことがあります。
これは、支払った金額が修繕費ではなく、資本的支出に該当すると計上の基準に照らした結果、判断されたためです。

 

■修繕費と資本的支出

建物に投じた費用は、その目的などによって修繕費ではなく資本的支出となるものがあります。その計上における判断となる基準は国税庁によると下記のとおりとなります。
修繕費は、「固定資産の修理、改良等のために支出した金額のうち当該固定資産の通常の維持管理のため、又はき損した固定資産につきその原状を回復するために要したと認められる部分の金額が修繕費となる」としています。
例えば外壁の塗装の塗り替えや雨漏りの修理などは金額が大きくても修繕費として、単年度の一括処理ができます。
資本的支出は、「固定資産の修理、改良等のために支出した金額のうち当該固定資産の価値を高め、又はその耐久性を増すこととなると認められる部分に対応する金額が資本的支出となる」としています。
例えば外壁を吹付け塗装から磁器質タイルに変更したりして建物の使用可能年数を延ばし、建物の価値を高めるようなものは資本的支出に該当することになります。

 

■修繕費と資本的支出の処理の違い

修繕費は単年度に経費として一括計上することが可能ですが、基準に照らして資本的支出に該当する金額は一旦資産に計上することになります。減価償却資産として耐用年数に渡って費用計上されていく資産です。
このため一括計上して不動産所得を大きく減らして納税額も減ると考えていた場合には、資本的支出となることで予定していなかった税額を納めることになってしまいます。
修繕費と資本的支出を理解した上で最初から減価償却することを認識した上であれば問題はありません。資本的支出と修繕費の判断には金額による計上の基準などもあり、複雑ですのでし明確に区分の確認を行って、想定外の納税などが起こらないように気をつけましょう。