はじめに
何も考えず、やみくもに不動産投資を始める人はいません。
物件がおかれた環境条件や、物件そのものの状態、起こり得ると考えられるさまざまなリスクなどを総合的に考慮し、
「それなりの利回りが期待できると判断するから投資を行う」
という人がほとんどだと思います。
しかし、その一方で、想定外の要因によって収益が悪化してしまうということも不動産投資では珍しいことではありません。
今回は、そのように悪化した収益を改善するためのポイントを見ていくことにしましょう。
収益改善のポイント
収益を改善するポイントは大きく分けて2つです。
一つは「入ってくるお金を増やす」、もう一つは「出ていくお金を減らす」ということです。
入ってくるお金を増やす
まずは空室を減らすことです。
特に、集客を不動産会社などにまかせている場合、その会社が実際に効果的な集客術を実施しているかどうかチェックする必要があります。
会社によっては、広告や物件の管理にはあまり力を入れず、安易な家賃の値引きや諸費用の無料キャンペーンといった手段に頼っているところもあります。
そのような不動産会社に管理や集客をまかせていると、値引きに賛同しなければ満足な集客は期待できませんし、逆に賛同したとしても値引きによって収益は悪化してしまいがちです。
このような場合には、集客術に長け信頼できる不動産会社を探して、管理委託会社の変更を行う必要があります。
また、物件そのものが経年などによって劣化し、集客に影響が出ているような場合にはリフォームするという手もあります。
リフォームといっても、大きな金額がかかるものばかりではありません。
数万円くらいの予算しかかけないプチリフォームでもやり方次第では、広告画像や内見の印象が大きく変わり、集客につなげることも可能です。
それ以外には、ペット飼育を可にするという手もあります。
この方法なら、大きくコストをかけることなく他の物件との差別化を図ることができ、集客にもつながります。
ただし、この場合にはすでに入居している借主との調整が重要になります。
出ていくお金を減らす
こちらのケースでも、不動産会社に管理を委託しているときは特に注意が必要です。
管理会社によっては、清掃や設備の管理をさらに別の会社に外注し、中間手数料だけを抜き取っていることがあります。
このようなケースでは、集客の場合と同様に信頼できる別会社を探して委託を変更したり、場合によってはオーナー自らが清掃業者などと個別に契約するという手もあります。
最後に
出ていくお金を減らすという点に関しては、ローン金利の見直しを金融機関と交渉したり、条件のよい別の金融機関にローンの借換えを行うといった手もあります。
ただし、先ほどの管理費用の件も含めて、出ていくお金を減らすという手段は経費を少なくするということにもつながりますので、結果として所得が増大し、支払う税金の額が増えるということにもなりかねません。
実行する場合には、あらかじめシミュレーションを行い、全体としての収益の増加につなげることが肝心です。