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2021年6月23日
不動産の投資をするには、リスクや投資先の財務状況が健全な状態にあるのかを知っておく事が必要不可欠です。リスクの大きなところや、財務状態のおかしなところに投資する人はいません。そこで不動産の投資家が、投資対象の物件についてリスクや財務状況がどのようなものを知る為の目安となる指標である「LTV」についてご紹介します。
LTVは「Lone to Value」の頭文字をとったもので、日本語にすると「総資産有利子負債比率」とされます。この指標は、物件の不動産価格のうち、借入金(負債)の割合を表すものです。この指標から物件所有者がどの位借入金に頼っているかが判断できます。
LTV計算方法は簡単で、「物件購入に必要だった借入金」を「不動産価格」で割ったものです。つまり、自己資金のみで借入金がない場合はLTVの値が0%となり、反対にフルローンを組んでいる場合はLTV100%です。通常は不動産投資のおける理想的な数値は80%以下(頭金として20%以上支払っている状態)とされています。
この指標の数値が低い物件「自己資金(頭金)の投下割合の高い物件」のものが、低金利ローンを組みやすい傾向があります。またこの算出法で使用される不動産価格には、購入価格を用いる「簿価評価」と市場の価格や評価額を使用する「時価評価」の2つの方法があります。
〇簿価評価とは、会計帳簿に載っている価額のことです。購入時の金額を指します。買った後の価値変動は考慮しないで評価する方法です。
〇時価評価は、指標算出時点での市場価格や評価額を示します。時価評価はその時の資産価値を正しく捉えることのできるのが特徴です。
価格変動の大きな不動産で、所有者が短期間での資産売却を前提としている場合では、あえてLTVを高くして、自己資金の資金効率を高めているケースもあります。投資対象を選定する際、参考にする指標の一つとして理解しましょう。
簿価評価の場合は、会計簿上の評価額や購入時の価格など、一定額が算出のときに用いられます。多方、時価評価を使用するときは、算出時点での市場価格を使うことになります。計算方法としては、簿価(不動産を取得したときの価格)に市場価格と簿価との差額の含み損益を加味して算出します。各々の計算式は次のようになります。
〇簿価評価の算出式
簿価LTV=有利子負債÷帳簿価格×100
〇時価評価の算出式
時価LTV=有利子負債÷(帳簿価格+含み損益)×100
不動産の額に対するローンの残高の割合を示すLTV。この指標を用いてローンの返済可能性や、リスクに対する備蓄が適切かどうかを図るものがLTVテストです。このテストは、予定の返済残高を不動産評価額で割るという方法で、数値を算出します。
この不動産の評価額は、不動産鑑定書の他に次のような価格を変動させる可能性を考えた上で決定されます。
〇不動産を評価するにあたり参照するべき要素
・施設の用途
・立地条件
・不動産の管理状況
・入居テナントの質
・権利関係(所有権・借地権等)
・建物の優劣の程度
テストの結果次第では、例えば不動産ごとに設定されている目標格付けの水準より下だったときに、投資家への配当が制限されることあります。
不動産投資のおけるLTVの果たす役割・算出法・リスク回避としてのLTVテストなどについてお伝えしました。投資する判断の一つの目安としてこの指標を用いて資産の形成に役立てて下さい。