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2020年8月28日
取得した不動産を第3者に貸し出し家賃収入を得る不動産投資。法人すなわち会社として不動産投資を行う場合、手段の1つとして不動産投資信託という形式が挙げられます。それはどういったものであり、歴史的に社会とどう関わってきたのか、見ていきたいと思います。
一般的な不動産投資の大部分は、所有する物件を第3者に貸し出し、家賃収入を定期的・長期的に受け取るインカムゲイン型を指します。この形態は、副業として行うサラリーマン大家さんや専業として行う個人事業などのように個人で着手することも、あるいは会社を設立し法人挌で取り組むことも可能です。
投資目的の賃貸用不動産を入手する手段として購入が挙げられます。その際の資金調達について、法人格の場合、不動産投資信託という方法を用いるケースがあります。それは投資家から資金を集めて不動産を購入し、これを投資に運用して利益獲得を目指すというやり方です。そういった手法を事業内容とする会社のことを不動産投資法人と言います。
具体的な事業の流れは、次の通りです。
まず不動産投資法人が投資証券を発行し、これを不動産投資信託として証券取引所に上場します。つまり証券を市場に売りに出し、それを投資家に買ってもらうことで賃貸物件取得の資金を調達するわけです。その資金を利用して賃貸物件の運用、または不動産売買により売却益を獲得するキャピタルゲイン型の投資を行います。それによって得た収入の一部を証券所有者である投資家に配当します。
要するに、物件のオーナー権を証券化し、これを金融商品として取り扱う事業と捉えて差し支えないでしょう。
なお、不動産投資法人が実質的な不動産運用業務に直接携わることは法律で禁じられています。そのため、資産運用は投資信託会社、資産保管は信託銀行などの資産保管会社に委託する形式が取られています。
不動産投資信託の発祥は1960年代のアメリカであり、REITという名称で導入されました。
一方日本で正式な形でREITが導入されたのは、時代が下って2000年からです。
それまで日本では、1951年に制定された「投資信託及び投資法人に関する法律」を基に投資信託が扱われていました。これは、不動産などの実態を持つ資産や、株式など有価証券への投資を促進する目的で定められた法律であり、投資家の資金を一括して集合的に運用する制度でした。その集合運用の器はビークルと呼ばれるものですが、当初そのビーグルの前提とされていたのは有価証券の投資信託のみでした。
1997年、日本版ビッグバンの一環として証券取引審議会がまとめた報告書を契機として日本でも不動産投資信託の導入が検討され、2000年にJ-REITとして開始されるに至ったわけです。
日本版REITすなわちJ-REITが導入された背景には、1990年代前期のバブル崩壊が影響しています。
1990年代、バブル景気の崩壊により、長期的不況の時代へと突入しました。高騰していた不動産の価格は一気に暴落し、担保価値の低下で回収できない不良債権が増え、金融機関の経営悪化だけでなく不動産価格が下落する事態を招きました。何もせずに放置すれば、デフレスパイラルは永遠に続くのではと危惧されました。
それを断ち切る手段の1つとして導入されたのが不動産投資法人制度です。
その結果、不動産の新たな買い手として不動産投資信託の存在感が増し、投資用としての不動産の流動性が高まっていき、不動産価格は回復傾向へと向かいました。
その後2008年に発生したリーマンショックによる世界的経済危機の影響を受け、不動産投資法人も打撃を被ることとなりました。しかしながら、J-REIT導入からリーマンショック前の成果に鑑みれば、不動産価格を支える潜在能力には確かなものがあると言えるでしょう。
日本における不動産投資法人の事業形態としては、次のようなタイプが挙げられます。
◆すべての不動産に対して分散投資を行う総合型
◆オフィスと商業施設を中心に運営している複合型
◆商業施設・物流施設・住宅など特定の不動産をメインに扱う特化型
また、不動産投資信託の内容について、以下の2通りが挙げられます。
◆一般の投資信託と同様で、証券取引所の取引を用いない契約型投資信託
◆不動産投資法人が行い、証券取引所上場にて資金調達がなされる会社型投資信託
不動産投資法人の歴史と役割、現状を中心に説明してまいりました。一般的な不動産投資との違いは金融商品として位置付けられているという点です。
不動産投資に関連する業界的知識の1つとして、踏まえておいて差し支えないと思われます。