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2022年6月19日
投資で事業を展開する前に、収益性や投資の価値を判断する指標にNPVがあります。NPV法を用いた投資判断は不動産投資にも役立つでしょうか。今回の記事では、不動産投資におけるNPV法について解説します。
Net = 正味・Present = 現在・Value = 価値を意味する言葉で、投資で得られる利益を示す指標となる専門用語である Net Present Value の頭文字を用いた略称。その数値が大きくなれば採算性が高い事業と判断されます。
現在の100万円と1年後に得られる100万円では価値が異なります。100万円を年利5%で投資すると、1年後は105万円となるからです。このように時間的価値の概念を取り入れて計算した「現在の価値」に対して、「将来的な価値」を数値化するのがNPV法です。
NPVは不動産収益価格を算出するDFC(割引キャッシュフロー)法の基礎になる考え方であるため、不動産投資においても重要視されています。DFC法は、純収益と最終的な売却価格を発生時期に応じたPV(現在価値)に換算して総額を算出します。
【 PV=将来得られる金額 ÷(1 + 割引率)^x年後 】という計算式で求めます。^xはx乗を意味します。金利5%で融資を受けた場合の1年後に獲得する100万円のPVは、100 ÷(1 + 0.05)^1=952,381円と算出されます。
NPVは不動産で得られるキャッシュフロー(PV)から不動産仲介手数料や保険料、不動産取得税などの投資額を差し引いて算出します。その計算式は次の通りです。
【 NPV = PV(将来得られる金額 ÷(1 + 割引率)^x年後)- 投資額 】
現在価値という単一の基準を指標としているNPVは、時間的リスクや期待するリターンを反映した現実的な数値を求めやすいのがメリットとなっています。投資状況に応じた割引率を設定できるため、具体的な不動産投資の判断指標として運用されています。
直接還元法などの収益方法による算出と比較しても精度が高く、適正価値を算出しやいのが特徴です。「常に資本コストが一定である」という制約のもと、年ごとにPVを換算できます。回収にかかる年数見積ではなく、投資の価値を重視した判断指標になっています。
投資の判断基準を単純化し過ぎてしまい、投資の是非に対する判断においてNPV法だけで結論を出してしまう可能性があります。その計算式に用いられた数値など、背景にも注意しなければなりません。中長期的な視野においては別の指標で判断する必要があります。
時間的価値の概念を取り入れたNPVは、不動産投資の判断指標として役立つことを解説しました。他にも様々な指標があり内容が異なるので、一つの指標で判断せず、投資物件の条件も見極めて総合的に判断することをおすすめします。
信頼できる不動産会社に相談することも、判断指標のひとつと言えるでしょう。