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2022年5月21日
不動産投資がひそかなブームとなっています。不動産投資を始める理由としては、不労所得を得る為、老後資金を蓄える為、など人それぞれです。そして、不動産投資をされる方に知っておいてもらいたい事の一つが、贈与税です。今回は、不動産の贈与税について解説します。
贈与税とは、その年の1月1日から12月31日までの一年間の間に、”個人から110万円を超える財産を貰った場合”に納める義務が生じる税金です(個人ではなく法人から貰った場合は、所得税を納める義務が生じます。)贈与税の金額を求める計算式は、
(贈与額-基礎控除額110万円)×贈与税率-控除額=贈与税額
となります。贈与税率は贈与金額によって異なります。贈与税は、贈与によって取得した財産以外に、次の様な場合に”みなし贈与”として課税されます。
〇他の人が掛け金を負担していた生命保険や、損害保険などの保険金を受け取った場合。
〇著しく低い価格で、財産を譲り受けた場合。
〇対価を支払う事なく、借金を免除してもらった場合。
〇対価を支払う事なく、株や不動産の名義を自分名義に変更してもらった場合。
〇返済能力がないにもかかわらず、親族などから”あるとき払い”、”催促無し”で多額の借金をした場合。
等が挙げられます。
親の持っていた財産を死後、子が相続すると相続税の対象となります。これを生前に贈与すると贈与税の対象となるのは先述の通りです。
贈与される財産が1000万円だった場合、この金額から基礎控除額110万円を差し引いた額、890万円となり、課税対象額は600万円超1000万円以下となりますので、贈与税率は30%、控除額は90万円となりますので、贈与税額は177万円という事になります。
しかし、ここで知っておいて欲しいのは、贈与税には、「相続時精算課税制度」という特例があるという事です。この相続時精算課税制度を使えば、大きな節税効果が見込めます。
生前の贈与の際に支払う贈与税額を抑える事ができ、相続の際には、贈与された財産を”足し戻して”相続税を算出する、という物です。
相続時精算課税制度を使うと、2500万円以下の財産の贈与なら贈与税は掛からなくなります。(2500万円を超えた場合の贈与税率は20%ですが、贈与税として支払った贈与税相当額は相続時に控除されます。)
相続税が控除額内に収まり、納税の必要が無くなった場合にも遡って、贈与税を支払う必要はありません。
相続時精算課税制度を用いた具体例を挙げると、例えば、生前に親から2000万円を子が贈与された場合、相続時精算課税制度を用いる事で、この時点での贈与税は掛かりません。その後、親が亡くなり、相続した財産が5000万円だった場合、相続時精算課税制度を用いて贈与されていた2000万円を足し戻した7000万円が相続税の課税対象金額となります。
仮に贈与が3000万円であった場合、相続時精算課税制度を利用していれば、贈与税は2500万円までは非課税となりますので、3000万円-2500万円=500万円にのみ贈与税が掛かります。この時点で支払う事になる贈与税は更にその20%の100万円となりますが、後に相続税が発生した際にその金額から控除されるのです。
この相続時精算課税制度の特徴は、同一の贈与者からの贈与額が合計2500万円に達するまでは、何度贈与を受けても非課税となる点です。2500万円と言う金額は一人の贈与者に付き、なので、両親からそれぞれ相続時精算課税制度を利用して贈与を受ければ、合計5000万円まで、贈与税が生じずに財産の引き渡しが可能となります。
今回は、不動産投資と贈与税について述べてきました。相続時精算課税制度という言葉を初めて聞く人も多いと思います。これを知っているかいないかでは納める税金の額が大きく違ってきますので、知っておく事が重要です。