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2021年4月7日
概ね不動産投資は、長い年数を掛けて利益に繋げていく運用が主となります。そのため、家族や血族に投資物件を委ねるケースも現れてくることでしょう。相続による継承以外にも、生前贈与という形式もあり、その際に関係してくる税金には贈与税が挙げられます。
土地や建物によって収益獲得を図る不動産投資。その形態は主に、インカムゲインとキャピタルゲインの2通りに大別されます。
インカムゲインは、不動産の賃貸契約などによって、定期的な家賃収入を得る方法です。
キャピタルゲインは、不動産取得時の購入価格より高値で売却し、その差額を利益とする方法となります。とくに使用していない物件であっても、将来的に条件の良い価格での売却を検討している場合、潜在的なキャピタルゲインと言えるでしょう。
いずれの投資手法についても、定期的収入の長期取得および売却タイミングの見極めなどの性質上、長い年月にわたって不動産を所有することが想定されます。それらは所有者自身の財産と見なされるため、いずれは家族や血族に引き継がれるケースも珍しくはありません。
財産が継承される形態としては主に、相続と贈与の2通りが挙げられます。
相続は、所有者の死去をもって相続人の間で遺産が分けられることを指します。相続人は主に所有者の遺族が該当し、民法に定められた遺産の分け方である法定相続に則って財産の分割受け継ぎがなされます。
その際、相続人には相続税が課せられることになりますが、基礎控除額が設けられており、金額的にその控除額を下回っていれば課税は発生しません。
相続税の控除額については、『3000万円+(600万円×法定相続人の数)』という計算法によって求められます。
一方の贈与は、相続の発生を待たずして財産の受け渡しが行われる形態となり、生前贈与とも称されます。また、財産所有者の死去をもって自動的に発生する相続とは異なり、贈与では譲る側と受け取る側の合意によってなされます。
また、贈与を受ける側は、法定相続人該当者に限りません。財産所有者の意向によって自由に選ぶことが可能です。贈与が行われる場合、受け取る側には贈与税という形で納税義務が生じることになります。
不動産の相続および贈与については、現金を用いる場合より課税額が抑えられます。不動産では、実際の不動産取引価格を下回る金額で評価額が設定されるのが主となり、その評価額に基づいて課税額が設定されます。つまり、不動産は現金より少なく見積もられて税金額が決められるため、結果的に税額が低くなり有利となるわけです。
贈与に伴って発生する贈与税について見ていきたいと思います。
贈与税は、1年間において贈与を受けた額に応じて設定されます。110万円までは基礎控除が適用され、それ以下の額であれば税は発生しません。
贈与を受ける側に課せられる税率は、財産を譲る側との関係性により、特例税率と一般税率の2通りに分かれます。子や孫など直系卑属に贈与がなされる場合には特例税率、それ以外の者への贈与では一般税率が用いられ、特例税率の方が課税額を抑えられる形となります。
基礎控除110万円を超えた贈与額について、金額に応じて段階的に10~55%の税率が課せられます。一般控除では3000万円超、特別控除では4500万円超で最高税率の55%に達します。また、贈与額が増えるにつれ段階的に追加控除額も設けられ、特別税率の方が追加控除額も多くなります。
60歳以上の財産所有者から20歳以上の直系卑属への贈与がなされる場合、相続時精算課税制度が利用できます。これを用いれば、累計で2500万円以下の贈与に関しては納税が免除されます。
この制度を利用した後、贈与した方に相続が発生した場合には、事前に受け取った贈与財産は相続分に加算され、相続分与が行われることになります。このことから、相続時精算課税制度とは、相続発生に先立ち前もって遺産を受け取る方法であるとも言えるでしょう。
以上のように、不動産投資物件の贈与について、基本的な部分を抑えながら見てまいりました。不動産による財産継承の方が現金の場合より課税額的に有利となる点や、相続の事前引き渡しとも言える相続時精算課税制度を活用することにより、税の支払いを抑えながら生前贈与が行えると言えるでしょう。